ほめられる
自分が理解され意欲持つ
「褒(ほ)めるより、優しくしてほしい」
ある若者がつぶやいた言葉です。彼は大人から怒られたり責められたりすることがよくありました。たまにうまくやれたことを褒めてもらうよりも、うまくやれない自分という人間を受け入れてほしいと切実に思ったのでしょう。
自信を持つためには、褒められる体験が大切と考える人もいます。しかし、褒められなくても、人から好意や関心を持たれていると実感できれば自信を持てます。それに、自分をよく理解せずに褒められても自信につながりません。
ある中学生が、絵がうまくならないと悩んでいました。素人の私には上手に見えたので、励ましたいという気持ちから、「うまいと思う」と褒めました。すると、それを横で聞いていた子が「『うまい』なんていう褒め方はよくないですよ。具体的にどこがどういいと感じたかを伝えてあげなくちゃ」と指摘してくれたのでした。
「女子同士でやたらとカワイイって褒め合うのは疲れる」という人がいます。気持ちがこもっていない口先だけの言葉と感じられるからかもしれません。この場合、相手のことを理解して褒めているというよりは、仲良くしてほしいから褒めているという面もありそうです。
では、褒められて元気が出るのはどんなときでしょうか。自分に何ができて何ができないか、もやもやしているときがあります。褒められることで、自分にできることに光が当たります。できそうなことがはっきりすると意欲がわいてきます。
自分はできると思っていることも、自分よりできる人に褒められると、ますます頑張ろうという気になります。できるということが、思い込みや自己満足ではないと確かめられるからでしょう。
私たちは、人から関心を持ってしっかりと見られたいのです。そして、自分の良さを自分で理解したいのです。
褒められなくても、自分を元気づける方法はあります。自分のことを誰かにきちんと話すことです。人に伝えようとするとき、頭の中が整理されます。自分自身のことが理解できるようになるのです。そして、あなたの話が相手にしっかりと受け止められたとき、エネルギーがわいてくるはずです。
<2013.6.30 中日新聞「親子でホームルーム」>