不登校の人へ

ハイキング
学校に行くか、家にいるか、という二者択一ではなく、人とかかわりながらゆったりと学ぶ場として「まなび場」のような場があります。

人とかかわる

「まなび場」では、年齢の異なる多様な人間がいっしょに過ごしています。同一年齢の相手だと緊張する人でも、異なる年齢の人間だと意外と緊張せずにつきあえるものです。
 ある人は、「学校で学んだことよりも『まなび場』の人間関係で学んだことの方が多いなあ」と言っていました。人といっしょに過ごす何でもないような日常の積み重ねの中でも、エネルギーが蓄えられたり、自分への気づきがあったり、人とかかわる力が身に付いたり、刺激を受けたりすることがあるものです。何かをやるエネルギーがないときには、遊んだりおしゃべりしたり、あるいは、ただ人のそばで過ごすだけでも意味があります。

学ぶことを楽しむ

学校に行っていない人には、縛られない時間がたっぷりあります。その中で、のんびりとエネルギーを蓄えていくこともできるし、自分をみつめるゆとりもあります。興味を持てることがあれば、それをとことん追求していくこともできます。
 人の評価を気にしたり、時間に追われたり、模範解答に早くたどりつこうとしたりするのではなく、自分のペースで、自分の頭を使って、自由な発想で、人と対話しながら学んでいくことを楽しんでみましょう。いっしょに考えることを通じて、自分や他者の感じ方・考え方の個性に気づいたり、人との関係が深まっていくかもしれません。自分が好きなこと・やりたいこと・できることが見えてくることもあるでしょう。

エネルギーを蓄えて、次の進路へ

不登校で『まなび場』に来る中学生は、ほとんどの人が高校に進学していきます。進路はそれぞれですから、中学卒業後に高校に進学せずに「高校卒業程度認定試験」をめざしたり、とりあえずアルバイトやボランティアをはじめるという道もあります。中学卒業後に「まなび場」に通い始める人についても、専門学校や大学をめざす人もいるし、違う道を選ぶ人もいます。生き方や社会との関わり方は多様であり、人それぞれです。「〜べき」という発想にとらわれずに、自分の個性にあったペースと方法で自立していってくれることを願っています。
 「今」を大切に生きることで、自分の中にエネルギーを蓄えていきましょう。それこそが、これからの進路の土台になります。